札幌の救命センターで研修をしていた歯科医師三名とセンター長が「医師法違反」書類送検され、センター長が罰金刑を受けました。

歯科医師は口か喉元しか診療しちゃいけないよ、研修でも医師の指導のもとでもだめったらだめ!という司法判断が下ったということです。

医師法違反と言われているのは次の医療行為です。気管内挿管、静脈路確保、右大腿静脈からのカテーテル抜去、腹部の触診(ただし静脈路確保は医師の管理下において看護師も行うことが出来る)

歯科医師は確かに口腔内と咽頭喉頭あたりの診療のみを許可されているのですが、喉をとった後、腸管で再建する場合は開腹手術をしてもいいことになっています。

つまり歯科医師免許とは点滴はとれないし、腹部の触診も出来ないくせに、開腹して腸を切ることが出来る謎の資格のようです。
親知らずの大出血を止められても大腿静脈からのカテーテル抜去すらも許されません。
歯科医の研修ガイドラインでは歯科麻酔20例の経験の後、その他の疾患の全身麻酔の研修を推奨していますが、うっかり実践すると医師法違反で書類送検です。

無資格でも仕方ないじゃんやれせてやれよってなことを言いたいわけではないのですが、歯科医師の研修というのは永遠にそれで食っていく意味のものではなく、自分の専門分野たる歯学をさらに研鑽するためのものなので、ある程度認めざるを得ないのではないかというのがさちの意見です。

第一損するのは患者。6年の高等教育を受けた歯科医師の前で呼吸停止になっても何もしてもらえません。歯の治療に使った薬が原因でアナフィラキシーになり、呼吸が止まり低酸素脳症になって目の前の歯科医が何もしてくれなくても、あきらめるしかありません。裁判所が研修しちゃダメって言ったんだから。
尤もそんな状況になったら「適切な蘇生行為を行わなかった」と因縁をつけられ有罪になるんでしょうが。

ブラックジャックによろしくの視聴者が、医師免許をとって初めて患者と接するなんて信じられないという趣旨の発言をしますが、学生は資格を全く持っていないので、この判決事例をみればますます、学生には何もさせられません。研修医は免許を持っていますので、なんでもしますが文句言わないでくださいね(他人はいいけど自分はいやなんだよね。皆)

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