さて、Y染色体で検索しているとこんなところを発見しました。
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/051130_tennou/
立花隆先生のコラムです。これの5ページ目にこんな記述があります。

神武天皇のY染色体を受け継ぐ人々はゴロゴロいる

そこでこれを説明するためにこんな計算を行ないます。
「計算を簡単にするため、各代子供二人しか作らなかったとする。すると、子孫の総数は2の累乗ということになる。」
「つまり神武天皇がたった二人の子孫だけを残し、その後の世代も各代二人の子孫しか残さなかったとしても、神武天皇の子孫は今、2の100乗人いるということである。」
「(100代後の神武天皇の子孫は)日本の総人口(1億人とする)の1兆倍の100億倍というとんでもない数字になる。」
そしてこう結論付ける。
「子孫の半分は女性だろうからそれを半分にする、子孫同士の結婚によるダブリを差し引くなどの、いろんな条件をつけての割り算、引き算をたくさんしていったとしても、神武天皇のY染色体を受け継ぐ人々が、今の日本にゴロゴロいるはずという意味がわかるだろう。」

ほう、なるほど!と思った人手を挙げて!さちも一瞬だまされそうになりました。

でも立花先生、この計算ヘンだよ。

もう一度冷静になって考え直しましょう。
神武天皇以下の子孫たちがみんな子供二人ずつ作るとします。そして子の半分は女性だとします。
すると神武天皇の子供は男と女一人ずつになります。もちろん神武天皇のY染色体を受け継ぐのは男子のみ。
さて、この子供たちがそれぞれ一男一女をもうけます。するとこの4人の孫のうち男は二人いるけれど神武天皇のY染色体を受け継ぐのは1人だけです。そう、この条件下では100代たとうが200代たとうが神武天皇のY染色体を受け継ぐのはたった一人だけ!
この説明で上記の結論には至らないのです。ちなみに飛鳥奈良時代の日本の人口は500万人くらいだそうです。現在1億2000万人ですから24倍になったわけです。単純に考えれば神武天皇のY染色体をもっているのは24人くらいかもしれません。
ただ、何人もの側室がもてるほどの財力がそなわっていたため、子孫が残せるチャンスは他の人たちより多かったはずで、そういうイミでは神武天皇のY染色体を持っている人はこれよりは沢山いるかもしれません。

ここで気づいたんですけどこの1500年あまりで日本の人口は24倍にしかなっていないんですね。戦争や飢饉で沢山死んだことを無視すると、この1500年を平均すると日本の女性は一人当たり2.09人しか生んでないことになります。一夫一妻制だと女の子が二人生まれたらその父親のY染色体は即断絶。結構きわどい遺伝レースですね。しかも少子化社会になってバンバンY染色体消えていってるんでしょうね、今。

いろいろ書きましたけど、さちは別に皇位の正当性をY染色体に求めなくてもと思います。

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