前回書いたように理由はどうあれ、とりあえず地域医療は崩壊しつつあります。

広島県庄原市では産婦人科医不足により医局からの医師派遣が途絶え、外来はなんとか続けているものの入院や分娩はできなりました。庄原市内での病院での分娩は出来ない状態で、来年度も広島大学の産婦人科入局者が少なく病棟再開のめどはたっていません。
新聞やテレビでは大騒ぎ。地域医療崩壊の代表例として紹介されています。

しかし本当に庄原市に産婦人科が必要なのでしょうか?

庄原市の中心から20kmほど行くと三次市の中心に行けます。しかもこの間には中国自動車道の庄原ICと三次ICがあります。
日本道路公団のドラナビによると所要時間は17分。三次ICから3分で市立三次病院に着きます。
庄原市の中心からたった20分、東城からも40分弱で産科も小児科もあり、麻酔科医の常勤までいる病院につけるのです。

救急車で一時間くらいでつけるなら充分です。
その間に大出血したらどうすんの!?とか言う人がいるかもしれませんが人口4万人の高齢化の進んだ地域でそんな例が一体何年に一例あると思いますか?そんなレアケースにまで対応しなければならないなら、瀬戸内海に浮かぶ有人の小島に一軒ずつ病院をつくらなきゃならんでしょ。

そもそも出産する20代から30代の女性がテレビ画面からも陰気くささのただようあの市立病院でお産をしたがるとは到底思えません。
地方では自分の住んでいる場所に100〜200床くらいの病院があっても「あそこは好きじゃない」と行って50kmくらいの距離をはるばる超えて他の地域の病院に通ったり入院したりする人が珍しくありません。それが出来るのだから、その病院たぶん要らないんです。その自治体の唯一の病院だったとしても。

さちの主張は少々乱暴ですが、なくても別に困らないはずの病院が沢山あるはずなのです。
医局も人を引き上げるときは症例数が少なくて暇な病院から引き上げていきます。
つまり「医局から医師派遣をやめられた病院の診療科」はもともとあんまり需要のない診療科だと考えられます。

そんな病院はもうさっさとあきらめて無くすか、他の病院と統合するかしたほうが、費用効率や人員配置の面からも有利です。
(田舎の病院は事務員やコメディが地域住民であることが多く、なかなかつぶすのが難しいんだけど)
それに手元にお金がなければ使わずに済むように、近くに病院がなければコンビニ受診も難しくなり医療費が抑えられます。
なにより田舎に病院がなければ研修医が都会に行っても大丈夫!
地域のプライマリケアは開業医にがんばってもらいましょう。
夜はどうしても苦しくなったら救急車を呼べばよろしい。救急車は帰りは乗せてくれないから遠くの病院に運ばれたら大変。軽症患者の救急車要請も抑制できていいことだらけじゃないですか。

やっぱちょっと乱暴かな。

コメント

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年2月13日23:14

かなり乱暴です.まだ月曜日ですが,病院で何か面白くないことでもあったんでしょうか.

北進計画
2006年2月14日0:37

なるほど。無批判に、全国780程の無医地区をなくすことが当然であると考えていました。が、よくよく調べてみると、その半数は、最寄の病院までの距離が20km以下でした。勉強になります。

さち
さち
2006年2月15日22:41

別に面白くないことがあったから乱暴なことをかくわけじゃないですけどね。
月曜日・・・だから憂鬱、金曜日だから嬉しいっていう感覚がなくなってきた最近。

>北進計画さん
そんなに多いんだ・・・無意味な無医地区。

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