「へき地の医師増員を」 自治体病院で片山幹事長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000240-kyodo-pol

 自民党の片山虎之助参院幹事長(自治体病院議員連盟会長)は25日、東京都内で開かれた全国自治体病院協議会の定時総会で、へき地の自治体病院の医師不足について「実質は年間何千人も(医師は)増えているのに、すべての地域に行き渡らない。離島や山村に行ってくれる医師を増やさないといけない」と述べ、医師増員の必要性を強調した。
============================================
もし政治家が少子化問題で「毎年100万人以上小学校に入学しているのに、小学生は増えない」と発言したら、みんな知能を疑うはずです。しかし医師不足問題ではこれと同じ理論が展開されています。

確かに医師数の年次推移をみると
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/02/tou10.html
平成2年に21万人だった医師数が平成14年には26万人に増えています。これを根拠に厚労省は医師数は足りていて入学定員を増やさなくても、今我慢すればそのうち地方にも医師がいきわたるよ、と地方自治体をなぐさめているのです。しかしこれは「小学生が卒業しなかった場合」の統計なのです。

年齢別医師数をみると
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/youran/data17k/2-46.xls(エクセル)
40代の医師が一番多いことがわかります。ちょうど昭和50年代の卒業生にあたり、無医大学県をなくし、一校あたりの入学定員が120人と医師数を増やそうとしていた頃です。しかしその後医師過剰がさけばれ、入学定員が減っていきましたから30代は5000人減(500人/年の減員)、20代に至っては1万4000人の減(1400人/年の減員)になっているのです。

小学校に入学する子供が年々減っていくと小学生の総数は減っていきます。医師になる人が年々減っていくと医師の総数は年々減っていくはずです。統計上医師の人数が増えているのは医師免許に定年がないためで、実際に増えているのは高齢医師数です。逆に当直をこなし激しい病院勤務に耐えられる40歳くらいまでの医師数はどう考えたって減少していく一方です。単純に考えると年1400人ずつ減っていくわけで、女性医師の割合や学士や再受験の高齢入学が増えるとさらに状況は悪化していくのです。

制度的に明らかに減っていく医師数、それに伴って軋む僻地医療。その矛先は何故か新臨床研修制度であり、研修医の都会志向、楽な科志向のせいにされています。厚生労働省はもっともらしい言い訳をして、政治家もマスコミも医師すらも騙されて踊らされています。さながらみのもんたに騙される患者のようです。

コメント

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年5月28日18:05

医者も減ってるし,医療費も抑制しているんだから厚生労働省の人員も減らすべきでしょうね.社会保険庁は解体して業務を厚生労働省直轄にする部分と民営化する部分にわけるべきだと思います.

さち
さち
2006年6月6日1:20

また天下りさきができますね。・。・゜★・。・。☆・゜・。・゜
最近ちょっとひねくれてます・・・。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索