今の病院に来てからあんまりネタがなくて困ってます。仕事でイラつくことも少ないし、患者…じゃなかった客層も結構いいです。 たまにくる救急車(昼間の転院を含めて2台/日程度しかこない)がプシ系の患者を連れてくる以外はそんなにトラブルもありません。

 ピアスくんもすっかりまともなヒトになってしまったし。

というわけでニュースねたでも。

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全国30カ所のがん専門病院などでつくる全国がん(成人病)センター協議会は5日までに、一部施設の治療成績(生存率)をホームページ上で公開した。病院名を明らかにして生存率を公表するのは初めて。不確実な情報が患者の不利益とならないよう、信頼性のある適切な情報公開を促進し、患者側のニーズに応える狙いがある。
 がん患者の5年後の生存率(5年生存率)は治療成績の目安とされるが、重症度などさまざまな要因がからみ、単純にその施設の治療水準を示すものではない。
 公表に先立ち、同協議会の研究班は指針を作成し、生存率調査の目的や手法を明確化した。その上で、調査結果に一定の精度が認められ、施設側が公表に同意した場合に限り、病院名を明らかにして掲載した。今後さらにデータの精度を高め、公表施設を増やしていきたいとしている。 
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なるほど、ということで全がん協のHPに行ってみると目的のデータにたどり着くまでが長いこと長いこと。

病院ごとの治療成績を公表したほうがいいという意見がよく聞かれるのですが、ぱっと見だけでどこの施設の成績がいいかわかるデータを作るのは大変です。

 国立がんセンターの成績はよいですが、末期がんで根治治療しがたい人は門前ばらいを食らっているわけですから当然です。じゃあ病期にわけて成績を公表すれば公平かといえばそうではなく、高齢の患者が多い施設では成績は悪くなるにきまっていますし(治療自体が行えなかったり、別のことで死んだりする)、合併症の多い患者が多い場合は?期の患者であろうと生存率は下がります。そういった条件の違いを完全に補正することは不可能です。

 しかし患者は命がかかっていますから、そのデータがバイアスだらけであろうとも、よさそうと思えるところにかかりたいと考えるのも事実ですし、人情というものでしょう。
 そして病院側も国公立病院であろうと経営を厳しく言われる時代ですからより多くの患者を集めたいと思うでしょう。特に手術ができる比較的早期の患者は末期の患者より効率よく稼げますから、こういったデータが良くなるように患者を選別することになります。
 つまりは末期患者、高齢患者、合併症の多い患者は受け入れないということになります。

 個人的にはデータの公表や成績による診療報酬の配分は「やりたきゃやればいい」くらいに思っています。なぜなら新たな医療崩壊の原因になると思うからです。人情で末期患者を入院させた地方の基幹病院が赤字になり、さらに成績が悪いとたたかれ医師が辞めていき廃院、ほかの病人もこぞって放り出される…そんなことが起こりうるかもしれません。

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