男性患者を公園に置き去り 堺市の総合病院 [朝日新聞]

今の病院の介護病床に25年ものの患者がいますし、左耳大学にも10年もの、鼻口大学にもかつて2年もののICU患者がいました。どこの病院でも転院や退院を拒む問題患者っているんじゃないでしょうか。腫れ物をさわるように扱っているうちに誰も何もいわなくなり月日がたっていくのです。

日経メディカルの連載にも乗っています。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/hdla/200604/500168.html
患者が退院拒否し病室を「占拠」

病院の顧問をしている弁護士さんが実際の事例をあげて対処法をアドバイスするという連載です。登録していないと読めないので要点だけ書き出すと

「法律の世界では現状を重視するため、相手の同意がないにもかかわらず、一方の当事者が勝手に現状を変更することを許しません(「自力救済の禁止」と言います)。」

つまり本人の同意なしに院外にむりやり連れ出してはいけません。たとえ行き先が自宅でも。

「この患者と病院の間には診療契約とそれに付随する入院契約を交わしており、それに基づいて患者が病室の一部という空間を占拠し始めたわけですから、病院としては、まず入院契約に基づく患者の権利が消滅したことを主張しなければなりません。」
「実際に明渡しを求める裁判は、通常の訴訟ではなく、審尋という簡易・迅速な手続きで、病室の明け渡しの可否を決定する仮処分によることが考えられます。」

つまり治療がおわったよーということを病院側が裁判所に説明する必要がありそれが認められれば病室を出て行きなさいという仮処分がでるわけです。ただし

「筆者が仮処分を申請した事件では、今回の事例と同様に患者が自立できず身寄りもなかったため、病院側の主張が正しいと判断されても、人道的見地から、裁判所は仮処分命令を出すことができず、受け入れ施設が見つかるまで待った結果、実際の解決まで1年以上を要したことがありました」

どんなに不当でも受け入れ先が見つかるまでは病院はボランティア精神をもってして患者の世話を焼き続けなければなりません。

この堺市の病院の行為は不法だし、普通はしないのですが気持ちは良くわかります。この事件ではインターネット内の意見でも医療費を滞納して病室を占拠、内縁の妻にも見捨てられたこの男性を非難する声も多く聞かれますが、マスコミは「患者軽視」とたたいています。

 本当にどうすればいいのでしょうね?身寄りのない社会的入院はずっとおいておけ、救急車は断るなたらいまわしは許さん、赤字の病院は経営努力が足りない、赤字でつぶれたら地域が困るので再開しろ。もはや八方塞がりです。

コメント

ブログ脳外科医
脳外科医
2007年11月15日7:27

一部の患者なんでしょうけど自分勝手な人たちが真面目にやってる人たちより有利になるのが許せませんね.明らかに軽傷なのに救急車で病院に来る人,仕事が忙しいからと急病でもないのに夜間に病院に来る人,自分で勝手に退院日を決めて居座る人,病院側にはなんの強制力もないですし,仕事をせずに病院が減って欲しい厚生労働省は当然何もしないので埼玉医大のように自己防衛手段を考えなければならないということでしょうか.もっとも不払いには法的処置を講じるしかないのでしょうが...

さち
さち
2007年11月24日16:54

法的処置もめんどうですね。
食い逃げは罪だとおもうんですけどねぇ。

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