墨東の「拒否事件」についてお役所がいろんな全国調査を開始したりするのがはやってますが、いまさらそんなとこからスタートとは、奈良の件はスルーだったのかよって思う今日この頃です。

今月の医事新報に二回にわたって「医師はいったい何人必要なのか」という厚労省のお役人の時論が載ってました。
http://www.jmedj.co.jp/magadetail.jsp?goods_id=1568

医師不足の原因として
1.欲のない医師が増えたこと(お金はそこそこで趣味をエンジョイしたいタイプ。勤務医のころのつらい記憶がトラウマとなり開業したあと地域の救急医療には絶対に参加しない)
2.戦争用に過剰に育成された医師が、戦後就職に困り、結果町医者として地域医療を支えてきたこと、その医師たちが80歳を迎えて引退の時期を迎えたため開業できる地域が増え、そこにバブル崩壊であまった投資資金が安全な投資先として医療に向けられ無担保融資が可能となったこと
3.レセプトを詳細にみると9月に31日通院した人や、5件の歯医者をかけもちする人など、受診動向に問題も見出され、国民皆保険の目的である「いつでも」「どこでも」「だれでも」に「好きなだけ」が加わってたこと
4.いままで地域救急医療が医師の「心」によって支えられ、消費者がそれを当然だと思うようになったこと
5.臨床研修医制度は影響はしたがA級戦犯ではないこと
6.研究より臨床のほうが重要視されるようになったことや、教授の権力がさほど強くないことが明らかになり、待遇がわるく、勉強にならない大学病院にみんな近づかなくなったこと

他にもいろいろ書いてありましたし、そのまま転載すると著作権に触れてしまいますので要点だけですが、これだけわかっていて(この文章はこの人の個人的な見解のようですが・・・)、厚生労働省はなんで何もできないのかについて

つかえる手立ては所詮「規制」か「お金」しかなく、しかも「お金」については「欲のない医師」には全く通用しないこと。
開業や診療科を規制すると、悲惨な結果が予想されること
そもそも、日本が目指そうとする医療の姿が決まっていないので、どれくらい医師数が必要なのかが計算できないこと

をあげてました。

だったらきちんと方向性を決めろよ、とも思いましたが
この筆者なぜか宇宙開発部門にいるようで、そういう立場にないのかも。

なかなか面白い文章だったので手に入る人は読んでみてください。

コメント

運命って・・・
運命って・・・
2008年11月18日22:58

偶然にも、上記の目次に以前お世話になった先生の訃報を発見してしまいました・・・。

合掌。

お知らせいただき、ありがとうございました>さちさん。

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