大学に帰ってきて、大学周辺でバイトに励んでます。
 なんだか最近は地域の基幹病院でも夜間当直はバイトなんですね・・・。そんなとこにバイトにいくのは大学勤務の医師くらいしかいませんから他病院の当直と電話で話したりすると、いつも「あれ、先生今日はそこでバイト?」みたいな状態。

 もちろんそこの常勤の先生が当直だったりすることもありますが、救急当番でも救急車とってくれないのでよその病院に跳ね返ってくる。そんなに嫌なら二次救急指定の病院なんてやめてほしいし、最終的に二次救の看板下ろしてくれたらもっといいのに。

 ただ左耳時代と違って救急隊のほとんどと顔見知りなので病状を率直に聞けるところは楽です。向こうもホントのことを言ってくれることが多いですし。
「今日の当番○○病院でとってくれないんだよ〜。お願い、鷹揚先生、こんど奢るからさ!」
みたいな感じで搬送してきます。

 救急隊との顔の見える関係ってやつには反対なんだけど気分は違うかな。
害虫駆除の依頼、恋愛相談……。警察に舞い込む様々な電話に、首をかしげたくなるような内容が目立つようになった。

 地域住民と向き合う警察にとって、モラルに欠ける要求でも無視するのは困難。非常識な通報に追われることで、警察力の低下を招くのではないかと危惧(きぐ)する声も出ている。

 「ゴキブリが家の中に出てきて、気持ちが悪い」

 昨年夏、大阪府内の警察署に、若い男性から電話がかかってきた。対応した署員は「自分で駆除できるはず」と考え、この依頼を1度は断った。

 しばらくして再び同じ男性から「本当に困っている。来てくれ」。最寄りの交番にいた50歳代の男性警部補が男性宅を訪ねると、おびえた目つきでゴキブリを見つめる若いカップルが待っていた。警部補はゴキブリを駆除し、死骸(しがい)をビニール袋に入れて持ち帰った。

 この警察署の副署長は「市民が助けを求めてきた以上、むげに断ることはできないと判断したが、ゴキブリの処理は警察の本来の業務ではない」と語る。

 今年2月中旬、千葉県内の警察署に女性から「恋人に振られてしまった」と電話があった。女性は約20分間、相手の人柄や交際の経緯を話し続け、翌日から連日のように電話をしてくるようになった。夜の当直体制で人手が少ない時間帯にかかってくることも多かった。

 山口県警では、110番を使って電話番号を尋ねる人に、県庁など主な公共機関の番号は教える場合もあるが、個人宅や民間企業の番号は答えていない。「110番は緊急の事件・事故に備えています。不要・不急の電話はご遠慮下さい」と、電話番号案内「104番」の利用を促すと、「104番を使うとお金がかかるだろ」と不満をぶつけてくる人もいたという。

 全国の警察本部は1990年から110番とは別の電話番号「#9110」で「不急の相談はこちらへ」と呼びかけているが、#9110も業務と関係ない個人的な要求や苦情は想定していない。

 ある警察の広報担当者は「緊急性がなくても警察が役立てる内容であれば相談に乗りたいが、個人的な要求も増えており、対応に苦慮することも多い」とため息をついている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080505-OYT1T00679.htm?from=main1

関連:「雨なので家まで送って」非常識110番急増、警察業務に支障も
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080505-OYT1T00619.htm
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全くもっていずこも一緒ですねぇ・・・。

くだらないけれど

2008年4月18日
 かなり落ち込んでしまいました。
 とある専門医をとろうと書類を取り寄せたら、学会発表がひとつ足りないことが発覚。大丈夫と思ってた学会がダメだった。

 別に一年遅れようとどうでもいいし、逆に一年早くとってもいいこともないし、更新だけは大変だから遅らせたほうがお得なのかもしれないし、まだ書類を取り寄せただけだし・・・

 でも自分でも詰めの甘さにがっかり。
 なぜかよくわからないけどどっぷり落ち込み以降放心して過ごしました・・・。当然あまりのくだらなさに周囲にもその落ち込みは全く理解されず。

 うーん・・・なんでかなぁ。
 4月になり病棟には新人看護師さんたちがあふれかえっています。若いっていいですね。

 昨日ふらりと(仕事しにいったんですけどね)病棟にいくと一人の看護師さんが病棟の入り口で仁王立ちになってたっていました。さちが近づくと彼はおもむろに「何かくれ」というように手を差し出しました。

さち「なに?」
看護師「放射線従事者の採血があるはずやろ。新人に練習させてよ」
さち「・・・」

ぶっちゃけ大学ナースに採血練習ってムダな気がします。じゃあお前うまくなったら採血してくれるんかと。

そこで言ってやりました。

さち「まあ、いいけど」

人間って弱いものです。後進の指導のため!とか言われたら断ったほうが悪者みたいじゃないですか。

でレッツ採血。

おびえる手つきと目つきで採血の準備を始める一年目看護師。
駆血帯の巻き方すらおぼつきません。血管をなんども親指で確かめ、そのたびに先輩看護師に違う!といわれアル綿でふきふき→血管の位置確認→その場所をアル綿でふきふき→さらに指で確認とそれは丹念に狙いを定めました。

ちなみにさちは献血や健診で採血を失敗されたことも、難しいとすらいわれたこともない血管の持ち主です。

いよいよ入刀・・・じゃなく穿刺です。

ちく・・・

新人「ここで大丈夫なんですよね?」

いやいや、寸止めってどうよ。先が微妙に当たって皮膚がちくってしたんですけど。

さち「もう一思いにやっちゃって」

ふたたび丹念に位置を確認しおずおずと針を刺す新人さん。
かなり刺す速度がゆっくりなのが痛みと恐怖を倍増させます。

血液が引けないことにあせる新人。なぜか血液が針の脇から漏れ始め、最終的に針が抜けてしまいました。駆血帯をまいたまま抜いたので立派な血腫ができました。

先輩看護師「うーん、だめだな。よし俺が手本をみせちゃる」

まず手本が先だろうという突っ込みはよそに採血がすまないことにはどうにもならないので仕方なくもう一本の腕を差し出すさち。

先輩看護師「これで俺失敗したらなさけなくない?」

十分情けないですが失敗しないとも言い切れないところが大学ナースです

で、穿刺・・・帰ってこねぇ。
皮下をさまよう針先。痛みにはかなり強いほうですが、かつて経験したことがないほど痛い採血でした。たぶん皮神経にあたったんだろうと思います。3時間くらいすごい痛みでしたもん。

机の上が血まみれになったりしましたが、なんとか採血をすませ、医局に帰って両手の血腫をみせびらかし、医局員たちを恐怖の渦に巻き込みました。

「なんとか看護師の目を盗んでシリンジを取って来ないと」
「採血の期限まではまだあるんだから夜中にとりゃいいだろ」
「13時から新人は研修会があるらしいからいなくなるぞ」
「よし、じゃあ13時までは絶対に病棟に近づかない!!」

新人さんたちは「お互いで練習」していただけたらと思います。
 診療報酬が改定されましたね。今回の改訂では産科や小児科、救急医療に関して「手厚い」支払いがされるそうです。これで医療崩壊が少しでも止められるといいですね。まだ冊子ができていないということで実は詳細がわからないなんてことはありえないことのような気がしますが気にしてはいけません。

 さて一番目をひくのが
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救命救急センターにおける精神医療の評価
救命救急センターに搬送された自殺企図等による重篤な患者であって、精神疾患を有する患者又はその家族等からの情報等に基づいて、精神保健指定医が、当該患者の診断・治療等を行った場合の加算を創設する。
救命救急入院料の加算 3,000点(1回につき)
http://20.iryoujimu1.com/h20-48.html
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正直、すごいなの一言ですよ。実質マイナス改定といわれてる今度の改定で3万円の加算ですもん。精神科の初診で3万円ってありえない破格でしょ。
年々増え続けている自殺対策なんでしょうけどどう考えたってずれてる。
本気で死ぬ人は一回で完遂することが多いもので救命センターに来たときにはすでに精神科の診察を受けられる状態ではなく、対象患者はほとんど人格障害のoverdoseやリスカ。さらに人格障害の方々は親身になって話を聞けば聞くほど再来する特徴があるので余計に救命センターの負担は増えるし、担ぎ出される精神保健指定医も迷惑千万です。

現状薬物中毒の受け皿になってしまってる救命センターに対する迷惑料ととれないこともないですが、それならもっと他に加算する対象があるだろうにねぇ。
医局を辞めて地元に帰ろうと強く考えてはいるのですが、なかなか実行に移せません。やっぱりいろいろ考えてしまいます。
実際に開業したり、医局と関係なく就職先を変えた人はすごいなと思うのです・・・。
映画をみてきました。

やっぱり医療ものはついつい突っ込んでしまって素直に楽しめません。

清潔になってるのに手を下に下ろすとか不潔の椅子に座るとか、いつの間にか拡大鏡が上にあがってるとか、心臓が心臓に見えないとか二人で心臓手術してるとか、山口良一はやっぱり幸薄そうだなとかそんな細かいところから物語の根幹にかかわることまで・・・

あらすじに関するつっこみは秘密日記に。
秘密日記が見える人は注意してください。
さちが今勤めている病院は救急告示病院ではありません。以前は1次や2次救急をやってましたが数年前に撤退しました。けれどたまに受け入れ要請があります。周辺の病院に受け入れてもらえなかった患者で、その大半が軽い自殺未遂。最近は二つ向こうの自治体の救急からも問い合わせがある・・・というかそっちのほうが多くなっています。

左耳にいたころは周りの二次病院にしっかりしてほしいと思っていましたが(そもそも左耳で救急したいのなら左耳の医師でやればいいのであって、よそから医師を呼んでコキつかう風潮はいただけないと思う)、ここにきてしょうがないのかなと思うようになりました。

この地域は輪番制が週3回だけ組まれています。輪番一回あたり自治体から7万円の補助がでます。これは夜間救急の人件費や諸費用の赤字分から計算されたものでこれでトントンからやや黒になれば御の字程度のものです。予算の関係で週三回以上は出せないのでこの地域の輪番は毎日組めません。

輪番でなければ病院は夜間の人員を減らします。放射線技師や検査技師、外来専属の看護師は置きません。そうすると搬入依頼があってもすぐに検査はできないし、対応する人員も少ないので断らざるを得ない場合が増えます。さらに最近は患者側も夜間でも昼間と変わらない検査や処置を要求しますから「一応診るだけ」とはいきません。

結果多くの病院が受け入れ不能となりうちみたいな病院にやってきます。

もうなんかあきらめの境地というか達観したというか解脱したというか夜中の2時に起こされてもぜんぜんむかつかなくなりました。

患者に対してはな・・・。

むかつくのはつれてきた救急隊。

こっちが患者を診察しているのを横でじっと見ていて

さち「普段はどこでお薬をもらっているんですか?」
患者「○○市民病院でもらっています」
救命士「○○市民病院はですね!処置不能ということで!!」

という具合にいちいち関係ないことをはさんでくる。

正直どこの誰が何で断ったのかなんてさちにはどうでもいい。(一部の)地域住民が踏みにじり、行政がまともに考えてこなかった医療行政のツケを現場だけで払うのがそもそも不当なのだから。今まで訴えても誰も耳を貸さなかった。言ってだめなら体感してもらうしかないでしょう。(そういう意味ではうちで救急車はとらないほうがいいのか)救急隊が悪いわけでもないのに一番困るのでかわいそうではありますが。

それでも救急隊がおいて帰った報告書にどこの病院の誰が受け入れを断ったかびっしり書いてあってうんざりしたさちなのでした。
明日はわが身とはまさにこのことー
いってることはごもっとものような気がするけど、よくよく考えたらあれ?ってことありませんか?
最近自殺患者が多いです。
overdoseなんてなんちゃってじゃなくて、首吊り。
今月うちの病院が関係しただけで7例。

うちに運ばれてくる地域の人口が30万人程度なのでものすごい数。不搬送もいるだろうし、他の病院に行く人もいるだろうし・・・。

なんだか気分が暗くなります。。。

ところで。

警察に検視を依頼するといろいろ聞かれるわけですが、
必ず聞かれるのが死亡確認した医師の名前。
左耳でも今の病院でもそうだったのですが、初めて検視依頼したときは
すごく申し訳なさそうに
「失礼ですが・・・生年月日教えてもらっていいですか?」
と聞かれますがなぜか二度目からは聞かれなくなります。

警察には医師のお誕生日表があるに違いありません。
 脳外科医先生のアドバイスに従い、体を動かすべくビリーズブートキャンプをしてみました(wiiはまだ買っていない)。そしたら直後から筋肉痛で辛いです。

 ところで筋肉痛って乳酸がたまるからおきるとか年をとるほど後になってから出るって言うじゃないですか。あれってどういう原理なのか?直後から体が痛いさちは若いってこと?という疑問についてお勉強もしてみました。

 結論:ウソ。

乳酸は筋肉を疲労させるけど痛みは生じさせないらしい。だんだん力が入らなくなっていくのは乳酸のせいだけど乳酸を筋肉内に注射してもまったく痛くないらしい。
 さちが今回経験している運動直後の筋肉痛は筋肉の虚血や痙攣(こむらがえりね)や筋肉の内圧が高まることによって生じる筋肉痛。一方2,3日してからおきる筋肉痛というのは筋肉が運動によって傷ついて、それを修復するために免疫がはたらいて炎症がおきるたもの。年齢は関係ない。というか単に運動不足が原因らしい・・・orn

ところでこの筋肉痛を予防するのに準備運動って全く役にたたないんだそうです。予防するのに効果的なのは事前に同じ運動をしておくことだそうで・・・結局筋肉痛になるんじゃ〜!?

運動は普段からやっとくべきなんですねぇ
最近仕事関係では面白いネタがありません。

私生活では失笑するようなネタがあるのですが
あんまりにもあんまりで書く気になれませんorz

仕事もヒマで自分の存在意義に疑問が・・・(汗)

wiiでも買ってみようかなぁ・・・。

危険地帯

2008年1月14日
 昨日はこの地域の成人式がありました。地元に帰ってきた新成人たちは同級生たちと楽しく飲み会をした模様で飲み屋街の近いこの病院では・・・

20歳アル中キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

二十歳の記念にバルンとオムツ。
一生忘れられない思い出になったことでしょう。
せいぜい立派な大人になってもらいたいものです。

今頃初日記

2008年1月12日
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

お正月は入院患者も少なく久々にゆったりとすごせました。
今年はのんびりしているといいなと思っております。
 巷ではインフルエンザがはやっているそうですが、今年は一例も診ていません。そういう職場環境にないだけですが。

 さて、また救急車で30件照会したにもかかわらず搬送先がみつからず患者が亡くなったようです。ネット上でもいろいろいわれているようですが、この件に対しとやかく議論するのであれば紹介された病院を公表すべきです。あの付近にたくさん存在する救命センターには一切電話がかかってないそうですから。またビル診にでも電話かけてたんじゃないの〜?数を稼いで世論が盛り上がれば福島みたいに、受け入れ先がすぐ決まって仕事が楽になるものねぇ。消防局が会見してたけど「俺たち悪くないもーん」って感じだったもんね。
 
 この間理由があって救急車お断りしたら「看護師に勝手に断られた」と抗議されて(女の声=看護師と思ったらしい)結構むっとしました。こっちからも厳重に抗議させていただきました。
 つうか見せしめのように救急車内で○○病院 鷹揚 拒否!って救急車の中で大声で言ってるんですね。電話が切れる前に言うから丸聞こえ。医療者側に問題がないとは言わないけれど、どう考えても選定ミスの病院に電話をかけて、患者に聞こえるように拒否!って叫んで、看護師が断ったって抗議をしてきて救急隊と医師の間に信頼感なんて生まれるわけないのに。

ぐだぐだ。

2007年12月16日
体力がないので一回当直しただけで死にそうになってます。

18時間経過した時点で判断力の低下を自覚し
32時間経過した時点で動きが鈍くなり
40時間経過した時点でAfになりました。

もう若くないんだなぁ・・・。
そんなこんなで発言がかなり後ろ向きです。周りが引くくらい後ろ向き。
18病院たらい回し…男性死亡 姫路
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071206-00000939-san-soci

兵庫県姫路市の男性(66)が6日未明、吐血するなどして救急搬送された際、近隣の18病院が医師の不在などを理由に受け入れを拒んでいたことが分かった。男性は最終的に約30キロ離れた市外の病院に2時間近くかけて搬送されたが、途中で病状が悪化。搬送先の病院で死亡が確認された。市消防局は「最善を尽くしたが、いろいろな条件が重なり受け入れ先を見つけるのに時間がかかってしまった」としている。
 市消防局などによると、6日午前0時7分、男性の家族から「(男性の)意識がぼんやりしている。目がうつろで吐血した」と119番通報があり、救急隊が出動。受け入れ先の病院を探したが、姫路赤十字病院や国立病院機構姫路医療センターなど18の病院に「専門の医師がいない」「ベッドがない」などの理由で断られたという。
 男性は当初意識があったが、受け入れ先の赤穂市民病院に搬送される途中で心肺が停止。午前1時56分に同病院へ到着したが、同2時17分、死亡が確認された。(略)

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とうとう救急車内で死んじゃう人がでてきましたねー。
まあこの症例に関してはあくまでさち個人の感想ですが、おそらくアルコールかなんかで肝硬変でしかも病院にかかってなくて、さらに酒を飲み続けて、最後に食道静脈瘤が破裂したひとに多い経過ですね。そういう症例はまず助かりませんけどね。

食道静脈瘤の破裂って前から受け入れ先が少ない疾患ではありました。内視鏡ができる医師+気管挿管ができて人工呼吸できる環境+輸血がたくさんすぐに手に入るという結構難しい条件を満たさないとだめですから。となると救命センターくらいじゃないととても対応不可能。一か八かでうけると訴えられかねない・・・というわけではなく、対応できない施設で対応している時間がもったいないので他あたってもらったほうがよっぽど良心的ってものですから。通報から2時間で死亡している経過からみても、専門医を呼び出しているヒマすらないのがわかりますよね。

そういう疾患から順々にニュースになっていくんでしょうかね。
 大学病院から電話がありました。外来係からというので???と思いながら出てみると…。

「すみません・・・。9月に脳外科の受診をされて、そのときの診察料が未払いで・・・保険証も処理中とおっしゃって確認させていただいてないのですが・・・」

 自分自身は脳外科の受診をしてもいないし、勤務先へ直接連絡があったし、誰か患者のことなのか??と思って「それ、誰のお話ですか?」ときくと「先生のです」という。「名前は?」ときくと苗字が同じだけのまったくの他人。

「それ、私じゃないですけど」というと「え?すいません!!」といって電話が切れた。

 しかし電話が切れてよくよく思い返すとなんだかとんでもない話だ。わざわざまったくの赤の他人の勤務先に電話をかけて、金払えって、個人情報はだだ漏れだし、第一いくら手間かけても払ってもらえるわけがない。まず用件を言う前に相手の名前くらい確認したらどうなのだろう?これじゃ赤字になるはずだ。
 最近さちが鼻口に帰ってきたことが各方面にばれまして、いろいろお電話がかかってくるのです。

 ちょっとバイトしに来てくれない?

 と。

 なんつうかねー、この人たちさちとは違う医局の出身者なんだけどほかに頼む人いないのかねー。一応メジャー外科なんだし友達とか医局の後輩とかいそうなもんだけど。頼む人がいないんだ!と言われると冷たく突き放せず、何とかやりくりor代理を確保してきてしまった身から出たさびなのかもしれないけど。あーほんと鬱陶しい。

 ということで今日は平日にもかかわらずよそ様の病院の外来へ。この病院この地域の中規模病院。地道に地域の一次二次救急をささえる砦でございます。とはいっても救急見るわけではなくて外科外来のお留守番。

 いままでこの手の病院には勤めたことがなかったのでびっくりしました。さちはいままで地域でかなり大きな病院(大学病院とか地域の基幹病院)かこういった地域密着型中規模病院でもDQN患者に院長自ら顔を飛ばすやくざな病院くらいしか行ったことがないんです。この病院のように地域のDQNの顔色を伺いつつ、虐げられながらそれでもけなげに診療し続ける病院になんて三日と持つはずありませんから。

 でもってなにがすごいってソセ中の数。中には一日3回朝昼夕うちに来る猛者たちもいる。つまり一日3回病院との間を往復しているのだ。そこまでになるときちんと治療してやったほうがこいつらもありがたいんじゃないかと思うのだけど。まさかあえて廃人にするつもり…。

 他にも医療従事者の言うことなんて聞かないやからばかり。質問はせず注射をさっさとだせ、とか点滴のルート確保やり直したら殺すとか、私はいまいらいらしているからこのあたりのものを投げ散らかしてやろうと思うとか外来は無法地帯。治療の内容も無駄無駄無駄無駄。というか患者のいいなり。どうも患者が要求することが常態化しているらしく、今日は風邪っぽいからあの注射をして、とかあの薬を出してとか言い出し、それに対する問診も診察も許されない。しようとすると怒りくるって「私の言うとおりになぜしない!いつもは何も言わずにするだろうが!」とさらに外来が大騒ぎになった。
 それでも看護師さんたちはけなげに頑張る。それで「引っかかれちゃったわ、つめが伸びていたのに油断しちゃった」とかいって流血しているのだ。

 そんなやさしい看護師さんを目の前にしていえなかったのでここでストレス発散のため言っておきたい。

ばっかじゃねえの?

 そこまでしないと地域の中規模病院は生き残れないのであろうか?たしかに相手はとりっぱぐれのない生保ばかりである。こいつらに医療費を使うと本当に医療が必要な人にまわらなくなるし、医療従事者は逃げるしいい迷惑である。あと年金もらえるはずの年齢なのに生保多い。年金払わずに生保になったほうが医療費はただだし、支給額もいい。

 まじめな人ほど損をする社会なんて○○くらえだ。

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